2011-01-16

トム・デマルコほか / アドレナリン・ジャンキー その3

アドレナリン・ジャンキーの続きです。

20 一人一役
仕事の一部(コンポーネント、任務、目標、アクションアイテムなど)について単独で責任を引き受けるとき、その人が役割を理解して引き受けるのは、作業と期待される結果が明確に対応しているからである。[...] ひとりで責任を引き受けたからといって、同僚やその他の関係者に協力を求めたり、必要な意見を得たりしてはいけないということではない。肝心なのは、任務を受けた人がその部分について引き続き責任を負うことである。(p.64)

単純には役割分担だけれど、実際には、役割の境界がプロジェクト開始時には不明瞭な場合だってあります。そういうときでも、任務をまっとうする責任を負えるカルチャーがいいなぁと言う話です。一方で、知識がひとりに集中してしまうといけないので、情報の共有やレビューは大事だと思います。XP ではペアプロをすることで共有するわけで。

別に特定の責任を負うからといって、他のことを知らなくていいわけでもないし、知らせてはいけないわけでもないと思います。そういう次元ではなくて、アサインされたタスクをちゃんとやろうぜ、と。そのためには、期待される結果が明確になってないといけないわけです。耳が痛い話です。

21 ソビエト式

どうすればソビエト式 [要求した機能は備えているが使う気にならないような] の製品をつくらずにすむだろうか。それには、プロジェクト計画に、明確に機能面以外の要求を対象とする作業を組み込むことだ。こう言うと簡単なようだが、ソビエト式のシステムのほとんどは、機能面以外の品質があっさり無視されたためにソビエト式になったことを考えてみるといい。 (p.70)

このあたりは、37 Signals のどっかの文章に書いてあった、インタフェースから考えるだとか、ストーリードリブンな考え方とかが合うのかも知れない。このところ、内部の機能よりも、ユーザの眼に触れるところから考えるようになっています。ほとんどのばあい、ユーザに見えるのはUIなわけですから。あるいは、APIとか。いずれにしても、外側での振る舞いの期待と実際のギャップを埋めるようにしています。難しいですけどね。