2005-09-25

便乗5冊

この秋に読む!TOPエンジニアが刺激を受けた25冊」に便乗するのが流行りそうな兆しです。TOP でもありませんし、エンジニアかどうかも危うい立場ですが、私も便乗してみます。




Kent Beck「Test-Driven Development: By Example」
開発中にテスト項目を発見する過程が書かれてています。唐突にテスト項目が示されるのではなく、最初のおおざっぱな項目を細分化する思考過程が書かれています。




エリヤフ・ゴールドラット「クリティカルチェーン ― なぜ、プロジェクトは予定どおりに進まないのか?」
問題発見の過程がいくつも出てくるところが気に入っています。クリティカルチェーンや制約条件の理論よりも、途中の思考過程を一緒に追っていくことで、真剣に考えることを自分に強要できます。




ピーター・ドラッカー「プロフェッショナルの条件」
すべてのドラッカーの著書に書かれているであろう、期待していたことと実際に起こったことを比べることが要点だと思います。過去の著書からの選り抜きなので、付箋だらけになってしまいました。「習慣的な力」と訳されている言葉は、原書では「habit」です。いずれも成果とは何かを問い、理解していることが前提条件です。いきなり行動する誘惑に負けることも多々ありますが、先に成果を定義するよう努めるようになりました。




ドナルド・ゴース、ジェラルド・ワインバーグ「ライト、ついてますか ― 問題発見の人間学」
この本は、問題とは期待と現実のギャップである、という定義から出発します。期待には主体が存在するはずであり、必然的に誰にとっての問題なのかという問いが出てきます。誰が何を期待しているのか、を問う習慣がつきました。




David J.Agans「デバッグルール」
ハードウェアも含めた、システム全体のデバッグやトラブルシューティングの原則を集めた本です。gdb などのツールの解説ではありません。思考停止し、安易な解決策を試すという誘惑に負けそうになったとき、この本に書かれていることを、ひとつ実践するだけで問題発見モードに移行できます。



社会人になって、自分が問題発見できていないことに気づきました。問題らしきものを見つけたときに、何が問題であるのか真剣に考えるようになったのは、本当に最近のことです。特に知識や技能を身につけたわけではないのに、少しの思考習慣のおかげで、問題解決できるようになった気がします。気のせいかも知れません。